師長が語る!心電図が苦手な若手ナースのためのPQRST基本・観察・記録術

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A Day in the Life of a Male Nurse

皆さん、日々の業務お疲れ様です。自分も看護師になって23年目になります。今日は、多くの若手看護師さんがつまずきやすい心電図について、基本の大切さ、モニターを見るときのコツ、そして記録のポイントを、自分の経験からお話ししたいと思います。循環器の専門家ではありませんので、ご注意を。

以前、ある2年目の看護師さんが心電図研修のレポートで、難しい異常波形名はたくさん書けていたものの、P波のような基本的な質問に困ってしまう場面がありました。正直に「1割くらいしか理解できなかった」と話してくれたのですが、その素直さが成長の第一歩だと感じています。この記事が、心電図に苦手意識を持つ皆さんの助けになれば嬉しいです。

なぜPQRSTの基本がとても重要なのか

心電図の勉強というと難しい不整脈に目が行きがちですが、何よりも大切なのはPQRST波という基本が何を意味するのかをしっかり理解することです。PQRST波は心臓からのメッセージであり、この「心臓の言葉」が分からなければ、小さなSOSサインも見逃してしまいます。

逆に基本が分かっていれば、「P波の形がいつもと違う」「QRS幅が広いかも」といった日常の小さな変化、つまり**“異常のサイン”に気づけるアンテナが立ちます。** 自分は循環器専門ではないからこそ、この「基本の重要性」をより痛感しています。私たち看護師にとって大切なのは「いつもと違う」という最初の気づきであり、そのためにはまず「いつも(正常)」を知り、基本的な波形の意味を理解することが不可欠です。これが患者さんの命を救う早期発見に繋がるのです。

心電図と仲良くなるための3ステップ

苦手意識を克服し、心電図と少しずつ仲良くなるための3つのステップをご紹介します。

ステップ①:「正常な波形」と「PQRST波の“意味”」を徹底的に覚える! 全ての土台です。まずは健康な心臓が描く「正常洞調律」の波形を目に焼き付けましょう。そして「P波は心房の興奮、QRS波は心室の興奮、T波は心室の興奮からの回復…」というように、各波が心臓のどんな動きを示しているのか、その“意味”をしっかり理解してください。「P波がない=心房が働いていない?」のように、波形と心臓の動きをセットでイメージすると理解が深まります。

ステップ②:モニターの「波形そのもの」を意識して見る習慣をつける。 アラーム音や数値だけでなく、「波形そのもの」に積極的に目を向けましょう。「P波は出ているか?」「QRS幅は広すぎないか?」「RR間隔は一定か?」など、意識して観察することが「モニターを見る目」を養うトレーニングになります。患者さんの状態が良い時にこそ、その人の「いつもの正常な波形」を記憶に留めておくことが大切です。

ステップ③:「あれ?」と思ったら、その場で確認・質問する勇気を持つ。 日々の観察で「いつもと違うかも」「これはどういうことだろう?」と感じたら、その小さな疑問や違和感を見過ごさず、勇気を出して先輩や医師に具体的に質問しましょう。その「あれ?」があなたを大きく成長させる学びのチャンスです。恥ずかしがる必要はありません。

【おまけ】心電図の基本ちょこっとクイズ

さて、ここからは心電図の基本に関する簡単なクイズです。今日の話を思い出しながら、チャレンジしてみてください!

問題1: 心電図のP波が主に表しているのは、心臓のどの部分の電気的な興奮でしょう?

A) 心室 B) 心房 C) 房室結節

問題2: 心電図で、QRS波の幅が正常よりも著しく広い場合、主に心臓のどの部分の興奮伝導に時間がかかっている可能性が高いと考えられるでしょう?

A) 洞結節から心房までの伝導 B) 心房内の伝導 C) 心室内の伝導

問題3: 心電図のRR間隔(R波の先端から次のR波の先端までの時間)が、ほぼ一定で規則正しい状態のことを何と呼ぶでしょう?

A) 不整脈 B) 洞調律 C) 期外収縮


解答

問題1の答え:B) 心房 P波は、心臓の最初の電気的興奮である「心房の脱分極」を示しています。P波がはっきりしているか、形はどうかなどを見るのはとても大切ですね。

問題2の答え:C) 心室内の伝導 QRS波は「心室の脱分極」を示します。この幅が広いということは、心室の筋肉の中を電気が伝わるのに時間がかかっている可能性(例:心室内伝導障害、脚ブロックなど)を示唆します。正常な幅を覚えておくことがポイントです。

問題3の答え:B) 洞調律 (または整脈) RR間隔が規則正しい場合、心臓のリズムは「整」であると言えます。特に、正常なP波に続いてQRS波が見られ、RR間隔が一定であれば「正常洞調律」と判断できますね。「洞調律」は、心臓の電気興奮が正常なペースメーカーである洞結節から始まっている状態を指します。

クイズはどうでしたか?これらの基本的なポイントを押さえて、日々のモニター観察に活かしてくださいね。

師長から、心を込めたメッセージ:「分かったフリ」より「分からない」が成長のタネ

2年目の看護師さんが「1割くらいしか理解できなかった」と正直に言ってくれたこと、これは成長のための大切な第一歩です。研修で学んだ難しい知識を一度に全て覚えるのは不可能です。それよりも、日々の業務の中で患者さんのモニターに

**「関心を持つこと」、そして「小さな気づきを大切にすること」**の方がずっと重要です。

「心電図は難しい」と感じて当たり前です。自分もそうでした。でも大丈夫、焦らなくてもいいんです。今日お話ししたステップや、クイズで触れた基本的なポイントを少しずつ意識しながら、一歩ずつ学んでいきましょう。「知りたい」「分かりたい」「伝えたい」という気持ちがあれば、必ず患者さんの小さな変化に気づき、的確に情報を共有できる頼れる看護師になれるはずです。

皆さんの「モニターを見る目」と「伝える力」が成長していくのを楽しみにしています。


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